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よく耳にする,「人権侵害」と言ったときの,「人権」ですが,人権とは,対国家との関係で問題になるものなので,使い方に注意・区別が必要です。
言い換えると,人権侵害があった,と言う場合の正しい人権侵害の相手方は,国家(行政,公共団体,公務員)になります。

これに対して,私人間(市民間。侵害の相手方が民間人の場合)では,「人権侵害」という言い方は本当は正しくありません。
例えば,Aさんから嫌がらせを受けたからと言って,「Aさんから人権侵害を受けた。」というのは法律学的には正しくありません。人権の侵害の相手方が私人だからです。

人権という概念自体,歴史的に,専政権力(国家)に不当に圧力を受けてきた人民(国民)が,権力に立ち向かうために生み出されたことからも,対国家との関係で問題となることがお分かりいただけるかと思います。

なお,私人間では,民法709条の不法行為に基づく損害賠償請求や,民法90条の公序良俗違反の中で,権利(人権ではない)侵害といった形で斟酌されます。
人権を間接的に私法に適用していく考え方なので,間接適用説とも言われます。

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