被害者は刑事訴訟法においてどのように保護されているのでしょうか。
被害者は捜査段階では重要な証言者として取調べの対象となります。
被害者調書として証拠になります。
被告人が起訴されると,原則として,被害者調書が証拠調べされますが,例外的に,被害者が証人として証人尋問されることもあります。
裁判に出廷して証人尋問されることになると,プレッシャー等や追体験等の2次的な被害が想定されます。そのため,憲法と刑事訴訟法には,証人保護の規定があります。
(従来の制度)
1 公開停止措置(憲法82条2項)
裁判所は,例えば,強姦の被害者が被害時の具体的状況を証言しなければならないときなどについて,「善良の風俗を害する虞」があるとして,公開停止措置をとることができます。
2 期日外証人尋問(刑訴法158条,281条)
公判廷以外のところで,証人尋問をすることができます。
しかし,被害者が公判期日に出頭可能であればこの措置はとれず,実効性がありません。
3 被告人の退廷(刑訴法304条の2)
証人が被告人の面前においては圧迫を受け十分な供述ができないとき,認められます。
(平成12年改正による新たな証人尋問措置)
1 付添人(刑訴法157条の2)
証人の不安や緊張を和らげるため,証人にとって信用できる付添人を証人の傍らに付き添わせることができます。
2 遮へい措置(刑訴法153条の3)
証人が被告人の面前において証言すると,圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがある場合で,相当とみとめるときは,ついたてを置くなどの遮へい措置ができます。
3 ビデオリンク方式による証人尋問(刑訴法157条の4)
証人に別室にいてもらい,ビデオ回線で法廷とつなぐ方法です。圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがある場合に認められます。
以上のような制度により,証人が落ち着いてしっかりと証言できるように工夫がなされているのです。
さらに,近時,もっと被害者の保護の理念を押し進めて,被害者が,被告人に対し,独自に求刑の意見を述べることができる制度等を盛り込んだ改正法案がされています。
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